健康素材の研究、蚕の研究や糖尿病に関する情報発信を行っています

健康NEWS

糖尿病

糖尿病網膜症、失明防げ 全身管理と眼科検査カギ

【朝日新聞 2015.6.9】   糖尿病の三大合併症の一つ、糖尿病網膜症は、視覚障害者の失明原因の2位を占める。近年、硝子体(しょうしたい)の手術のリスクが大幅に減り、視 力がさほど落ちていない人を対象に視力回復を狙って行うことも増えてきた。発見時点からの健康管理が最も重要なのは変わらないが、専門家は「糖尿病と診断 されたら、定期的に眼科を受診して検査を受けてほしい」と呼びかける。 ■自覚ないまま重症に 都内に住む元会社員の男性(38)が目の異変に気づいたのは昨年6月。右目の視界にモザイクがかかったような部分があった。数日後、近所の眼科を受診。紹介先の病院で初めて糖尿病網膜症と診断された。 実は、20年近く前に受けた健康診断で糖尿病だと言われていた。しばらくは月1回受診していたが、28歳で就職してからは、定期的な受診は途絶えていた。 次第に足の裏もしびれてきてはいたが、さほど生活には支障がなく合併症は気にしていなかった。目や鼻の炎症の治療を受けたときも、合併症について注意を受けたことはなかった。 レーザーによる治療も受けたが進行は止まらず、10月半ばから長期間休んだ後、1月には視力低下で退職せざるをえなくなった。5月には杏林大学病 院の内科で血糖値を下げたうえで、眼科で硝子体を手術で取り除いた。男性は「もっと前から病気の怖さを自覚していれば」と悔やむ。 糖尿病網膜症には三つの段階がある。単純網膜症と言われる初期では、網膜の血管が傷んで細い血管にこぶができたり、弱くなった血管壁から血漿 (けっしょう)成分がもれたりする。ただ、この段階は血糖管理を徹底すれば良くなる可能性がある。杏林大の石田均教授(糖尿病・内分泌・代謝内科)は「血 糖値だけでなく、血圧や脂質などの管理も大事。全身状態を良く保つことで網膜症を含めた合併症の進行を防ぐことができる」と話す。 次の増殖前網膜症になると血管が閉塞(へいそく)し、白い綿のようにみえる軟性白斑が網膜にできることもある。それでも自覚症状がない人も多い。 冒頭の男性のように視力低下をはっきりと自覚する頃には、さらに進んで最終段階の増殖網膜症になっている人が多い。ゼリー状の硝子体に新生血管が生えては 出血。周囲に膜状の組織が広がり、網膜剥離(はくり)を起こしやすくなる。放置すれば失明のリスクも高い。 増殖前以降の治療では、網膜光凝固が基本だ。血管が閉塞した部分にレーザー光を当てる方法だ。早いほど治療成績はよい。 ■手術が進歩、新薬も レーザーによる光凝固が基本となる治療だが、近年飛躍的に進歩してきたのが硝子体手術だ。硝子体の出血や網膜上に増殖した膜状の組織を切除する。手術器具の改良が進み、切開する部分も小さくなった。 手術のリスクが高かったころは、失明回避の目的で非常に網膜症が進行してから硝子体手術をしたが、「最近は比較的視力が良好でも、よりよい視力回復のために手術をすることも多くなった」と杏林大の平形明人教授(眼科)。 また、糖尿病網膜症は、網膜の中心である黄斑に浮腫を合併することもある。病気がそれほど進んでいなくても視力が落ちる人もいる。こうした黄斑浮腫に対する治療としては昨年、新薬の抗VEGF薬に保険が認められた。 浮腫を軽減し、視力を改善させる。ただ、1~2カ月に1度の投与で保険を使っても患者の負担は5万~6万円。黄斑浮腫の治療には、ほかに硝子体手術や既存のステロイド薬を使った治療も検討されている。 ただ、進行してからでは治療が難しくなる。進行するまで自覚症状がないだけに、手遅れを防ぐには、早期からのフォローが欠かせないが、眼科に定期 的に通っている人は多くない。「糖尿病と診断された時からの定期的な眼底検査などのチェックが何よりも大事」と、東京女子医科大糖尿病センター眼科の北野 滋彦教授は話す。

特集 注目の糖管理素材

健康産業新聞 2008年1月16日から抜粋 特集 注目の糖管理素材 「糖管理サプリ」600億円、新健診制度追い風に メタボ対策を、ビジネスの新たな起点へ 中 高年の3割が糖尿病有病者か予備軍といわれる中、糖尿病の発症につながるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の一環として、被保険者 40~74歳を対象とした「特定健診・保健指導」が4月に始動する。成果が重視される新健診制度では、保健指導の中で実効性のある支援策としてトクホや健 康食品の活用が注目されている。トクホでは血糖値関連が260億円市場を形成。それ以外の健康食品を含めた市場規模は前年と同水準の約600億円で推移し た。本特集では、糖管理をサポートする素材の中から、近年注目されている素材に焦点を当てた。 中高年の3割、糖尿病患者か予備軍 糖尿病は、膵臓で作られるインスリンの作用低下により、慢性的に血液中のブドウ糖が増え、高血糖になる代謝疾患。Ⅰ型糖尿病(インスリン依存型)とⅡ型糖 尿病(インスリン非依存型)が知られており、国内では肥満、老化、運動不足、遺伝的素質などによってインスリン抵抗性が生じるⅡ型糖尿病が95%を占め る。Ⅱ型糖尿病と肥満との関連については、内臓脂肪などに蓄積された脂肪細胞からインスリンの働きを妨害する遊離脂肪酸やレジスチンと呼ばれる物質が分泌 されることが分かっている。 糖尿病の発症につながるメタボリックシンドロームという概念が注目される契機となった「2005年国民健康・栄養 調査」では、予備軍を含めたメタボリックシンドロームの対象者は1,960万人に上り、40~74歳の3割が糖尿病有病者か予備軍であることが明らかと なった。また昨年8月、人間ドック学会が人間ドックの受診者を対象に行った調査によると、糖尿病と関連の深い項目の異常頻度は「肥満」(構成比 24.4%)、「耐糖能異常」(同12.6%)の2項目がいずれも上昇。「肥満」の異常頻度は過去最高を記録した。厚生労働省の直近のデータによると、糖 尿病医療費は年間1兆1,165億円で、糖尿病合併症を含んだ糖尿病の医療費は1.9兆円に上る。政府が05年からスタートした「健康フロンティア戦略」 では、10年間で健康寿命を2年伸ばすため、「糖尿病の発症率20%改善」を数値目標に掲げた。合併症を引き起こす糖尿病を20%抑えることで、2兆 8,000億円の医療費を削減できるとしている。 糖尿病医療費を減らすには、糖尿病患者や予備軍を健診で早期発見し、生活習慣の改善に取り組み ことが重要だ。4月から実施される「特定健診・保健指導」は、メタボリックシンドロームや糖尿病予備軍の洗い出しを目的としており、健診の対象者は 5,600万人に上る。成果が重視される保健指導では、より実効性のある支援策として、血糖値関連や肥満対策の健康食品の活用を選択肢に入れることは、避 けて通れないとみられる。 血糖値トクホ、100品目に到達 抗糖尿の研究成果も数多く 抗糖尿素材の多くは、生活習慣との関連が深いⅡ型糖尿病を対象に、血糖値上昇抑制や血糖値降下作用、インスリン抵抗性改善、糖代謝改善、糖吸収抑制などに 関するデータの蓄積を進めている。また、近年の研究では、食後血糖値のコントロールの重要性を示す研究データが報告されており、抗糖尿素材でもこの点に着 目した研究成果が出ている。 トクホでは、血糖値関連の許可件数が、先月19日時点で100品目の大台に到達。しかし市場規模は、中性脂肪・体 脂肪関連のトクホ茶との競争激化の中で、前年比微減の260億円で推移した。関与成分は、難消化性デキストリンが91品目と他を圧倒。以下、小麦アルブミ ン(4品目)豆鼓エキス(3品目)、L-アラビノース(1品目)、グァバ葉ポリフェノール(1品目)が続く。表示については、血糖の吸収を穏やかにする 「血糖値が気になり始めた方に適した食品」(36品目)と、血糖値が境界領域の人を対象とした「血糖値が気になる人に適した食品」(64品目)の2種類が ある。 このほか、トクホ以外で抗糖尿の機能性を持つ素材は、カキ、ギムネマ・シルベスタ、乳酸菌生産物質、甘藷若葉、ローヤルゼリー、カイ コ、シルク、桑、ハナビラタケ、キクイモ、バナバ、コタラヒム、サラシア、ゴーヤー、カイアポイモ、パロアッスル、クマ笹、黒酢、亜鉛、クロム、セレンな ど30品目以上に及ぶ。抗糖尿の健食市場規模は360億円前後と推定され、トクホを含めると600億円の一大市場を形成する。 今後も、国家プ ロジェクトのメタボ対策と連動する形で、バックデータに裏付けされた抗糖尿関連の健康食品が活用される局面は広がりそうだ。一方、医療関係者からは薬との 相互作用を懸念する声も挙がっており、医療機関への情報提供や連携の強化は、健全な市場拡大を図っていく上で不可欠となっている。 注目 ~糖管理サポート素材~ 糖 管理対応として展開する末端製品の市場規模は260億円前後とみられ、トクホを含めると約600億円の一大市場を形成。市場では血糖値上昇抑制や食後血糖 コントロール作用、糖質の分解酵素を阻害し、糖質の吸収を抑制する素材などいくつかのメカニズムに基づく商品が流通する。抗糖尿作用などの機能性を持つ素 材は30品目近くに及び、注目素材が目白押しだ。素材紹介を交えながら、各社の取り組みをレポートする。 難消化性デキストリン 【素材紹介】 水溶性植物繊維の一種である難消化性デキストリン。天然のでんぷんを原料とし、低粘性で加工性に優れている。食後血糖上昇抑制作用と整腸作用の2つの機能で、トクホの関与成分として利用されている。 【企業紹介】 ■―――松谷化学工業   松谷化学工業㈱(兵庫県伊丹市)は、天然でんぷん由来の難消化性デキストリン『ファイバーソル2』、還元難消化性デキストリン『ファイバーソル2H』の原 料供給を展開する。植物繊維含有率は85~95%。水に溶かした時の粘度がほとんどなく、無味無臭であるため、あらゆる食品に添加が可能なことが大きな特 徴。また、整腸、食後血糖上昇抑制、血清脂質低下、体脂肪低減作用など、バックデータを豊富に蓄積する。 カイコ (蚕・かいこ) ■―――ボンビックス薬品   ボンビックス薬品㈱(大阪市中央区)は、韓国政府が所有するカイコ粉末の特許に基づいて抽出したカイコ粉末を使用したタブレットタイプの『ボスリン』を店 販、通販ルートで展開。糖尿病、ダイエット素材として原料供給にも対応する。韓国政府が所有する特許は「カイコ粉末を有効成分として含む血糖降下剤および その製造方法」。韓国で実施したⅡ型糖尿病患者による臨床試験では、空腹時と食後2時間の血糖値が降下することを確認。今まで副作用は一切報告されていな い。 ギムネマ・シルベスタ 【素材紹介】   ギムネマ・シルベスタはインド原産で、ガガイモ科ホウライアオカズラ属の多年草で木にからんでツル状に3~4m成長する。古くからアーユルヴェーダ医学に も取り入れられており、インドでは昔から皮膚病、泌尿器疾患、糖尿病、利尿、整腸、強精薬として利用されてきた。ギムネマ酸が有用成分で、小腸糖吸収抑 制、インスリン分泌抑制などの作用が確認されている。 【企業紹介】 ■―――大日本明治製糖   大日本明治製糖㈱(東京都中央区)は、インド産のギムネマ・シルベスタの葉から抽出したエキス粉末『ギムネマ抽出物GS-E』、エキスをCD包接した『ギ ムネマ抽出物GS-X』、錠剤用の精製ギムネマエキス『ギムネマ濃縮物GA-H』、ハードカプセル用の『ギムネマGA-S』など用途に応じたギムネマ素材 を取り扱う。同社は他社に先駆け、20年前よりギムネマ素材の原料供給を開始した。ギムネマ用途はダイエット向けの健康食品がほとんどで、複合品としての 利用が多いという。鳥取大学医学部との研究により、インスリン分泌抑制や糖・脂肪吸収抑制などの生理活性に関するエビデンスを蓄積している。ラットの小腸 を用いた腸管灌流実験や糖輸送電位による実験では、ギムネマ・シルベスタがブドウ糖の吸収を抑制する作用を確認。ラットやイヌに経口ブドウ糖負荷試験を行 い、小腸ブドウ糖に基づく血糖値変化と血中インスリン値変化を調べたところ、ギムネマに上昇抑制作用があることを突き止めた。 甘藷若葉 【素材紹介】 ヒルガオ科サツマイモ属に属する一品種「すいおう」の茎葉。カフェ酸誘導体をはじめとしたポリフェノールを含み、血糖値上昇抑制、血圧上昇抑制などの機能性が確認されている。 【企業紹介】 ■―――東洋新薬   ㈱東洋新薬(福岡市博多区)は、独自素材の甘藷若葉末のOEM供給を手掛ける。同素材は、「すいおう」の茎葉をまるごと粉砕したもので、6種類のカフェ酸 誘導体をはじめポルフェノールを豊富に含んでいるのが特徴。動物実験や臨床試験により、糖尿病に対する有効性を示唆する結果が得られている。このほか、南 アジアの伝統果実抽出物『ターミナリアベリリカ』、ビワ葉抽出物『バナスリン』、バナバ葉抽出物『ロイスリン』など、抗糖尿を訴求した独自素材をライン アップする。 キクイモ ■―――山陽種苗 山陽種苗・SANYO植物バイオ研究所(山口県山口市)では、『菊芋のちから』(顆粒100g瓶入、2g×30包入)を販売している。天然のインスリンと もいわれているイヌリン(糖質)を含むキクイモを原料とし、ウコンの中でも特にクルクミンや亜鉛の含有量が多いキサントリーザ(クスリウコン)の原末を配 合した。主に通販、種苗店、農協ルートで展開、一部医療ルートでも取り扱いがあるキクイモを配合した『手延菊麺』(5袋・約10食分/だし付)を昨年、新 たに発売した。 ■―――ベリー  (有)ベリー(福岡市博多区)は、化学肥料や農薬・除草剤などを一切使用していないキクイモを使用した『菊芋家族』(250㎎×360粒)を販売している。 小麦アルブミン ■―――日清ファルマ 日清ファルマ㈱(東京都千代田区)は、小麦アルブミンを関与成分とする血糖値関連のトクホ『グルコバスター』(5.5g×30袋)を、通販と薬系ルートで 展開する。小麦アルブミンは小麦中に含まれる水溶性タンパク質。電気泳動という分析法で0.19の位置にピークがある「0.19小麦アルブミン」に、食後 の血糖値を抑制する作用を見いだした。同社では、4月から始動する「特定健診・保健指導」に向け、メタボ対策の商材として拡販を進めていく。 アオバナ ■―――新日本製薬 新日本製薬㈱(福岡市中央区)は、願問で薬学博士の草野源次郎氏監修のもと、DNJ、DMDPを高含有した青花を主原料に、ギムネマ・シルベスタやグァ バ、桑の葉、バナバ、ヤーコンなど多素材をブレンドした『推奨糖減康露』(3g×30包)を通販ルートで展開している。八女産(福岡県)の玉露を使用して いるため口当たりがまろやか。また、難消化性デキストリンを関与成分とする血糖値関連のトクホ『さらっとさらり茶』(190g×6缶×5パック)を昨年8 月に発売した。

さわやか元気2000年4月号

韓国政府が糖尿病治療への薬効解明を支援! 食後血糖値の急上昇を抑え、インスリンの働きを促進。高血糖改善に有効率90%以上と期待される「蚕(かいこ)粉末」 「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載) 韓国政府の指導のもと高血糖改善作用を検証 桑の葉だけを食べて成長し、シルク(絹)を吐き出す「蚕(かいこ)」は、韓国で は神の虫・天の虫とも呼ばれていました。高価な絹糸を生み出すだけでなく、万能の民間薬として珍重されてきたのです。1597年に韓国で書かれた「東医宝 鑑」には、蚕(かいこ)そのものやサナギ、蚕蛾(成虫)などの薬効が多く記されています(腫れものや切り傷を治す、脳溢血後のマヒ、神経症、精力減退を解 消するなど)。 こうした蚕(かいこ)の効能を検証するため、韓国政府は1992年に、農村振興庁研究所とキョンフィ大学との共同研究チームを発足 させました。最重点を置かれた研究テーマは、蚕関連産物による血糖降下作用の確定です。経験的に知られてきた、糖尿病に対する蚕(かいこ)の薬効に、科学 のメスが入ったわけです。 韓国でも日本と同様、社会文明の急速な発展に伴って、過食・運動不足・ストレスの蔓延から、糖尿病患者が年々増大してい ます。糖尿病とはすなわち、血液中にブドウ糖(血糖)が多くあふれている、慢性的な高血糖状態のこと。毛細血管や神経の障害から、数々の深刻な合併症(動 脈硬化、糖尿病性白内障、腎症、手足の壊疽など)が引き起こされることはご存知のとおりです。 問題は、糖尿病を完治させる特効薬は、現時点ではな いということ。血糖を処理するインスリン注射など種々の血糖調節薬は、医療現場で活用されてはいます。しかし、効き方にバラつきがあったり、副作用(低血 糖や肝機能障害など)が生じるなど、安全かつに乗り出したのです。伝承民間薬である神の虫・蚕が、当然その筆頭として注目されました。そして結論からいえ ば、数多くの動物実験と臨床試験から確認された蚕(かいこ)の血糖降下作用は、期待以上のものだったのです。 ※ 写真:柳江善先生 食後血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓の負担軽減 ひとくちに蚕(かいこ)関連産物といっても、卵、幼虫、サナギ、成虫などさまざ まにあります。試行錯誤の末、幼虫が脱皮を四回行って、一番大きい状態となった「5齢蚕」を冷凍乾燥で粉末にしたもの(以下、蚕(かいこ)粉末)に、すぐ れた血糖降下作用があることがわかりました。 実は、「糖尿病には5齢蚕の粉末を飲むといい」という民間療法はすでにあったのです。ただ、それは一 般に熱風で乾燥させたもので、この場合、蚕(かいこ)の消化液と血液(有効成分の酵素を含む)が黒く酸化して、不活性化してしまうのです(作用の効率が下 がる)。そこで新たに、蚕(かいこ)の酸化を防ぎつつ乾燥させる急速冷凍法が考案され、蚕(かいこ)粉末の血糖上昇抑制効果は格段にアップしたわけです。 蚕 (かいこ)粉末の働きを調べた動物実験と臨床試験については、別枠にまとめました。強調できるのは、糖尿病患者を対象とした臨床試験で、患者が病院の薬を 飲みながら蚕(かいこ)粉末を摂取して、血糖値が改善した点です。蚕(かいこ)粉末は純粋に天然の素材なので、医薬品と併用しても問題はないといえます。 その後、血糖値が下がれば、医薬品の量を減らすことも十分可能でしょう。 なお、この試験では四週目以後のデータはありませんが、追跡調査からみて、蚕(かいこ)粉末の有効率は90%以上と考えています。 では、蚕(かいこ)粉末はどのようなメカニズムにより、高血糖を改善させるのか。私たちが食事からとりいれた炭水化物(ご飯、麺、砂糖など)は主に小腸で「単糖類」に分解されて、血液内に吸収されます。その結果、食後の血糖値はグンと上昇するわけです。 一 方、蚕(かいこ)粉末は食物と一緒に小腸に到達すると、炭水化物を単糖類に分解する酵素(αグルコシダーゼ)の活性を抑制します。すなわち、糖の分解と血 液内への吸収が遅れて、食後血糖値の上昇はゆるやかになることに。インスリン(血液中の糖を細胞に届けるホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるで しょう。少しずつ血液中に吸収される糖を、ゆっくり処理することができるからです。 もうひとつ、蚕(かいこ)粉末が細胞の「インスリン抵抗性」を改善する点も注目できるでしょう。このしくみは現在研究中ですが、簡単にいえば、細胞に対するインスリンの作用を正して、血糖値をすみやかに下げるということです。 ●データに現われた蚕(かいこ)粉末の高血糖改善作用 図1はラットを3グループに分け、普通のエサ、高炭水化物のエサ、高炭水化物の エサ+蚕(かいこ)粉末を与えて、血糖値の推移を観察したもの。高炭水化物のエサを与えたマウスは急激に血糖値が上昇し、4週間後には157に。普通のエ サのグループは94。しかし、高炭水化物+蚕(かいこ)粉末のグループは、4週間後で115とさほど血糖値は上がらなかった。そして10週間後には、普通 のエサのグループと変わらない血糖値に。蚕(かいこ)粉末が血糖値の急上昇を防ぎ、適正にとどめていく様子が観察された。 図2は糖尿病患者(薬物 治療中の患者16名=Aグループ、薬を服用していない患者7名=Bグループ)を対象とした試験の結果。蚕(かいこ)粉末を一回500mgずつ、一日三回投 与し、試験前と試験開始四週間後の血糖値を比較した。その結果、A・Bグループとも空腹時と食後二時間の血糖値が降下。数年間、食事・運動療法を行ってき た患者も、これほどの改善はみれなかった。注目されるのは食後血糖値が低く抑えられたことで、これは空腹時の低血糖を心配しなくてもよいことを現してい る。 図1●飼料別マウスの血糖値変化 図2●糖尿患者の血糖値変化(単位はmg/dl) 蚕粉末服用前 蚕粉末服用4週間後 空腹時 食後 2時間 空腹時 食後 2時間 Aグループ 138 245 128 197 Bグループ 175 272 158 209 低血糖などの副作用を起こさない天然成分 蚕(かいこ)粉末の有効成分では、まず糖分解を阻害する酵素があげられます。も ともと桑の葉が含んでいるアミノ酸も、当然豊富に含有しています。グリシン(血中コレステロール低下)、アラニン(肝機能保護)、ルシン(痴呆症予防)、 セリン(血中コレステロール低下)などで、桑の葉の含有量より2~4倍多いことも見逃せません。 なお、蚕(かいこ)の飼育では、非常に潔癖な環境 が求められるものです。騒音、ホコリはむろん、エサとなる桑の葉に農薬は残留していたり、病原菌に侵されると死んでしまいます。裏返せば、蚕(かいこ)粉 末は純粋な天然成分であり、化学薬品のような副作用の心配は無用でしょう。摂取量を増減して行った臨床試験でも、低血糖をはじめとした副作用は報告されま せんでした。 蚕(かいこ)が糖尿病改善にもたらす効果と安全性、適正な摂取量は、95年3月に正式に発表されました。「東亜日報」「韓国日報」な ど新聞各紙、KBS、MBCなどのテレビ局はこぞって報道しています。さらに韓国政府は、自国はもちろん、中国、日本で蚕(かいこ)粉末とその製造方法を 特許出願し、日本では98年に登録されました。韓国政府研究所と提携した日本の薬品会社によって、蚕(かいこ)粉末は健康食品という形ですでに流通してい ます。 私自身、蚕(かいこ)粉末が食後血糖の急上昇を抑える効果は、医薬品にも劣らないと実感しています。血液と血管の異常を改善することから、 糖尿病のみならず、高血圧、肝機能低下、心筋梗塞、脳梗塞の予防にも有望でしょう。幅広い病気予防効果をもつ蚕(かいこ)粉末への社会的関心は、一層高ま ると思われます。 無理のない血糖値コントロールに合理的 糖吸収を適度なペースに正して、体全体の機能を癒す「蚕(かいこ)粉末」 ※医学博士 松田育三さん談 糖尿病治療で一般に指導される極端の食事制限とは、マイナス思考に偏りすぎてる、と私は考えています。大切なのは、過食や偏食でとりすぎていた不要なものを控えることで、やみくもに食事量を減らすことではない。 実 際、患者の生活を考えれば、食べなければ気力・体力はわかず、空腹に耐えるストレスもつのります。これだは、継続できないのも無理からぬところでしょう。 糖尿病は、一朝一夕に改善できる病気ではありません。つまり、その養生法は心身に負担をかけず、長く実行できるものが望ましい。そこで選択肢のひとつとし てあげられるのが、健康食品の利用です。 「医食同源」というとおり、人間の健康は身近な食べものの力で癒されるのが、本来自然な姿であります。た だ、現代社会を取り巻く、いわば文明の害(環境汚染、添加物を含む食品、ストレスなど)から、心身のバランスを守るには、新たに人間は知恵を絞らなくては なりません。その知恵のひとつが、天然の食べものの薬効を凝縮して、機能を強調した食品、すなわち健康食品というわけです。 特に「蚕(かいこ)粉末」に関しては、韓国で発表された論文に目を通し、含有成分や作用のしくみを知るにつれ、無理のない血糖値のコントロールに合理的と感じました。 蚕(かいこ)粉末で強調できる作用は、小腸からの単糖類の吸収をゆっくりにすることです。血中に少しずつ糖が溶け込むことで、食後の血糖値の急上昇が抑制されるのです。インスリン(血糖を細胞に届けて処理するホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるでしょう。 そ もそも、糖尿病患者の体とは、膵臓機能に限らず、すべてのサイクルが空回りしている状態と考えることができます。食べものから糖を大量に分解吸収しても、 細胞でうまく活用されずに、どんどん尿中の排出されてしまう。言葉は悪いですが、小腸、膵臓、肝臓等の機能が、いわば懸命にムダ働きをしているわけです。 その結果、長年の間に体に蓄積するダメージは決して軽視できません。人間の体の機能とは、まったく使わなければ衰えるものですが、100%の活動状態を強 いられても、早晩つぶれてしまうものなのです。 この空回り状態に歯止めをかける働きが、蚕(かいこ)粉末には期待できます。糖吸収のスピードを遅 らせて、いったんクッションを置くことで、糖代謝を体に適したペースに修正するわけです。これが糖尿病の養成に有効であるとともに、ひいてはすべての機能 を長持ちさせることにつながります。 実際、蚕(かいこ)粉末と同様の作用をもつ糖尿病治療の薬も開発されており、現代的な治療の方向にも沿ってい るといえます。ただ、糖尿病の薬物治療では、低血糖や肝障害などの副作用の危険がときに生じますが、蚕(かいこ)粉末に関しては摂取量に関わらずそうした 報告はされていません。天然の素材から薬効を凝縮した、あくまで「食品」として位置付けられるものであり、体内の糖代謝を不自然の阻害することはないと考 えられます。それだけに、糖尿病患者の日常の体調管理に役立つ、無理のない養生法として評価できるでしょう。 △体験談・蚕(かいこ)粉末で血糖値改善 腎移植後に急上昇した血糖値を蚕(かいこ)粉末が改善、職場復帰できた                       大阪府大阪市 浅野由行さん 32歳 …

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