2015.12.5 朝日新聞

皮膚がんの一種「メラノーマ」の治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)を使った後、1型糖尿病を発症したとの報告が5例あったと、医薬品医療機器総合機構が24日発表した。うち4例は因果関係が否定できないという。死亡例はなかった。

厚生労働省は、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に対し、薬の添付文書の「重大な副作用」欄に1型糖尿病を追加し、血糖値の上昇に注意することなどを明記するよう指示した。

1型糖尿病は、生活習慣などが原因で起きる2型とは異なり、主に免疫反応の異常によってインスリンをつくる細胞が破壊されてしまう病気。生涯にわたってインスリンの注射が原則必要になる。

オプジーボは点滴薬。がん細胞の影響で抑えられていた免疫を再び活性化させる新しいタイプで、昨年7月に承認された。今年9月には、全身の筋力が低下する「重症筋無力症」を発症して死亡した患者が報告されたなどとして、厚労省が添付文書の改訂を指示している。