◎血糖値の正常レベルは?

 

糖尿病を診断するための検査で、正常レベルといわれる血糖値は、空腹時で110㎎/dl未満、食後2時間で140㎎/dl未満です。それ以上の方は一度詳細な検査をされた方が良いでしょう。

 

◎高血糖状態を放置すると?

 

糖尿病を放置し、高血糖状態が続くと、身体の様々な臓器に障害がでてきます。特に、神経と血管を中心にした臓器で、それらの障害が進むと、合併症とよばれる怖い病気を引き起こします。真の恐怖は高血糖症が引き起こす病気(合併症)にあります。

糖尿病の初期から中期にかけては、何ら痛みや自覚症状がないため「血糖値が少々高くても平気だよ」と放置する人が多いのが実情です。

しかし、合併症はある日突然発症し、一度発症すると既に完治できない状況にまで進行していることがほとんどです。

高血糖を指摘されたらすぐに治療に取りかかりましょう。

 

◎代表的な糖尿病の合併症

 

病名 症状 解説




糖尿病性神経障害 下痢・下肢疼痛・便秘・しびれ・吐き気・胃もたれ・筋力低下・こむら返り 「運動神経」や「自律神経」がおかされる。早期であれば回復もしやすい。
糖尿病性網膜症 視力低下・網膜剥離・失明・
白内障
網膜の細い血管に血液が流れにくくなったり、出血しやすくなる。成人になってから失明する原因の第二位。
糖尿病性腎症 腎不全・人工透析 高血糖になると糸球体の血管にも影響が出て、ろ過機能が衰える。


糖尿病性昏睡 急激に昏睡状態になり、そのまま死亡することも 糖尿病改善のための治療を勝手にやめてしまったときに起こることが多い。
血管障害 狭心症・心筋梗塞・脳梗塞 糖尿病のほかに高脂血症や高血圧の症状もある人が陥る可能性が高い病気。命が助かったとしても、後遺症の心配がある。
足の壊疽(えそ) ちょっとした傷の化膿が進み、
皮膚組織が腐ってしまう。そ
のままくずれて潰瘍になったり、骨まで腐ることもある。
高血糖によって起こる足の神経障害と血管障害が原因。神経がダメージを受けているので痛みを感じず、発見が遅れてしまうこともある。
歯肉炎・歯槽膿漏 歯ぐきからの出血、口臭から
始まる。症状が進むと歯肉に炎症が起こり、歯が抜け落ちてしまう。
血流の流れが悪くなり、雑菌がつきやすいのが原因。歯磨きなどで予防できるので、糖尿病になってしまったら、歯のケアも綿密に行うことが大切。