食べるシルクは十年ほど前から少しずつ開発が進められ、現在ではより消化吸収率を高めるためにシルクフィブロインを酸と酵素で加水分解し、ペプチドの段階まで細かくした「絹タンパク酵素分解物」が主流となってきました。

これは東京農工大名誉教授の平林先生が開発したもので、京都ではこの方法でシルクパウダーを生産し、うどん、お菓子、ドリンク剤などに添加されています。

人工飼料を全く使わない中国のシルクも輸入されはじめ、もう食べるシルクは決して珍しい物ではなくなりました。

 

アトピーの症状が緩和

蚕粉末がアトピーを改善
蚕粉末がアトピーを改善

大阪外大保健管理センターの梶本先生ら研究グループはアトピー性皮膚炎の患者に対してシルクを投与しました。すると患者の痒みや肌の乾燥が軽減され、皮膚に潤いが出て、結果的に痒みが止まったという人が多く出ました。

アトピーのせいで人相が変わってしまうぐらい顔が腫れ上がる女性がシルクを飲んで一ヶ月ほどで治ったという報告もあります。

医師の有用度最終判定でも七五%に有用との結果が出ました。

アトピーと同じアレルギー性のもので「鼻炎」があります。

シルクでアレルギー性鼻炎が改善されたとの報告について白井病院の田中医師は、有効成分の究明まではできていないが、絹タンパク酵素分解物にはアレルギー自体を抑える作用があると推測しています。

シルクは免疫機能の異常を正すと共に、血液の循環を促進する作用が働きます。

シルクパウダーを肌に塗れば保湿作用と耐紫外線効果によって美しい肌がつくられることはよく知られていますが、服用しても肌を強化する効果があるのです。

ですからアレルギー体質の方は、普段からシルク成分を取り入れることによって解毒作用を高め免疫機能を正常に戻すことがたいへん有効な療法となります。