現在、糖尿病人口(予備群を含む)は1、620万人を越えると推計されています。この数字は日本の全人口の13%を越えているのです。しかも困ったことに、その75%以上は治療を受けていないのです。

多分その理由は、自覚症状があまりないためでしょう。

しかし症状が出なくても、糖尿病は徐々に進行し、恐ろしい合併症をひきおこします。

糖尿病の本当の怖さは、この合併症なのです。

 

糖尿病は一度なってしまうと、完全に治すことはできません。しかし糖尿病をきっかけにして、健常者よりも健康に長生きしている方々もたくさんいます。適切な血糖コントロールを行い、食生活を改善し、糖尿病と上手に付き合うことが重要です。

 

〈三大合併症〉

 

糖尿病には「3大合併症」と呼ばれる病気があります。

それは網膜症・腎症・神経障害です。

上記の三つにもう一つ動脈硬化をプラスして「4大合併症」と呼ぶこともあります。

 

【糖尿病での死亡原因】

糖尿病患者が死亡する原因を調べてみると、高血糖そのものが原因で死亡する人は2~3%だけです。感染症で亡くなる方が約10%。

では最も多い死亡原因はなんでしょうか?

それは血管障害です。

常時高血糖にさらされた血管がもろくなり、脳梗塞・心筋梗塞・腎症などを発症し死に至るのです。

 

【糖尿病で失明!?】

糖尿病によって網膜症を発症し、失明する人が年間3,000名にのぼります。

一度失明してしまえばもちろん二度と光を見ることはできません。生活の質も維持するのが困難になるでしょう。

 

【糖尿病から腎不全へ】

人工透析によって血液の濾過を定期的におこなわなければ生存できない人が年々増加し2005年には新規透析患者数が36,000人を越えました。新規透析患者の原因は糖尿病がトップで1万人以上います。

 

【不快さがつきまとう神経障害】

糖尿病の自覚症状として一番多いのが神経障害です。

糖尿病神経障害とは、高血糖が続くことで知覚神経や運動神経(脳神経・脊髄神経)、自律神経などに障害が起きる病気です。

知覚神経や運動神経などに障害が起きると、足のしびれや痛み、こむらがえり(ふくらはぎの筋肉がつる)などの症状が、特に夜間に多く起こります。また、自律神経に障害が起きると、立ちくらみや排尿異常、下痢、便秘、インポテンツ、胃の運動の低下などが起きまます。