日本での糖尿病の現状

 

日本での糖尿病人口
日本での糖尿病人口

 

日本の糖尿病患者数は一九五五年以降上昇し、今日まで急速に増え続けています。

糖尿病患者の数は八〇年代には二〇〇万人と推定されていましたが、九〇年代には五〇〇万人以上はいると言われていました。

ところが一九九七年の厚労省の調査では、日本の糖尿病患者数は推定六九〇万人にものぼると発表されて、社会に大きな衝撃を与えました。

その後、二〇〇一年の厚労省調査では日本の糖尿病患者数は更に増え、推定七四〇万となりました。また、境界線上にいる「糖尿病予備軍(境界線上のひと)」まで含めると一六二〇万人にも達するのです。四〇歳以上の一〇%、五〇歳以上の二五%が糖尿病患者だとなれば、もうこれは日本の「国民病」というほかありません。

実際、誰が糖尿病になってもおかしくない状況なのです。

およそ七四〇万人の糖尿病患者のうち、治療を受けている人は推定三七四万人と、総患者数のちょうど半数にしかなりません。また、途中で治療を中断してしまった人も推定五五万人にのぼります。糖尿病患者の半数近くが治療を受けていない状況をどう見たらいいのでしょうか?健康診断などで「尿糖」を指摘されても「オレはこんなに元気で食欲もあり顔色もいい、なんでオレが病気なんだ。痛くもかゆくもないぞ」と、なかなか「病気」を受けいれられずに放っておくのではないでしょうか。

糖尿病の初期にはなんの自覚症状も見られず、静かに静かに、しかし確実に私たちの体を蝕んでいくのです。

糖尿病はすでに日本の「国民病」であるという認識にたち、社会問題として提起する必要があります。