糖尿病の原因は様々

糖尿病には大きく分けて、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。

「1型糖尿病」は、以前は「インスリン依存型糖尿病」とも呼ばれていました。

血糖値を下げるためにはインスリンというホルモンの分泌が不可欠なのですが、何らかの原因でインスリンがほとんど、あるいは全く分泌されなくなってしまい、血糖値が異常に高くなるタイプを「1型糖尿病」と言います。

原因としては、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞に対して自己免疫反応が起こり、β細胞が減少してしまうケースや、ウイルスの感染によってβ細胞の機能が衰えてしまうケースが考えられます。「1型糖尿病」は少年や若者にも起こりえるので、「若年性糖尿病」と呼ばれることもあります。

「1型糖尿病」の場合、インスリン分泌の絶対量が足りないので、治療するのにインスリンの注入が不可欠となります。このため従来は「インスリン依存型」と呼ばれていたのです。

「2型糖尿病」は、以前は「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれていました。

しかし「2型糖尿病」の治療でもインスリンが使われるケースが多々あるので、「インスリン非依存型」という呼称は誤解を生みかねず、今では「2型糖尿病」という呼称で統一されました。

「2型糖尿病」とは、インスリンは分泌されてはいるものの、その量が少し足りなかったり、インスリンの働きが不十分であったり、インスリンがうまく体内で利用できていないことから血糖値が高くなるタイプです。

インスリンの量が少し足りない、或いはインスリンの働きが十分でなく発症してしまう「2型糖尿病」の治療法としては、まず食事・運動療法を行い、それでもだめなら薬を飲んだりインスリンの注入をします。「2型糖尿病」でも診察時に血糖値が非常に高い場合は、最初からインスリン注入をするケースもあります。

 

「1型糖尿病」患者の割合は全糖尿病患者の3%前後で非常に少数です。

一方、「2型糖尿病」患者の割合は95%以上で、ほとんどの糖尿病患者は「2型糖尿病」だと見ることができます。

 

「2型糖尿病」の原因としては次のようなことが考えられます。

遺伝

親や兄弟、祖父母など近い親戚に糖尿病患者がいる人は糖尿病にかかりやすいということを覚えておきましょう。

近い親族に糖尿病患者がいる場合は普段から十分気をつけなければなりません。

 

飽食と肥満

普段から食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、肥満気味の人は要注意。

食べ過ぎ、飲み過ぎによる肥満で膵臓に負担がかかり、インスリンというホルモンが分泌されにくくなると、血糖値が上がり、糖尿病になります。また、肥満になると各細胞に対してインスリンが効きにくくなります。

 

運動不足

運動をすれば筋肉細胞がブドウ糖を取り込む量が増え、血糖値が下がりインスリンの働きを活性化してくれます。

逆に運動不足になると血糖値が上がるばかりでなく、肥満の原因にもなります。

 

ストレス

ストレスによって自律神経や副腎から分泌されるホルモンはインスリンの働きを邪魔します。

そうすると血糖値が上昇します。また、ストレスによる過食・肥満が糖尿病の引き金になることもあります。

 

これまで「1型糖尿病」と「2型糖尿病」について述べてきましたが、そのいずれにも属さない糖尿病もあります。別の病気が引き金となり糖尿病になる「二次性糖尿病」です。

膵炎や膵臓ガンなどで膵臓がやられるとインスリンの分泌機能が落ち糖尿病になります。また、ステロイド剤などの薬剤によって、血糖値を上げる役割のホルモンが多量に分泌され糖尿病になるケースもあります。

これらを「二次性糖尿病」と呼んでいます。

「二次性糖尿病」の場合は、原因となる病気を治療すれば糖尿病も治ります。