A.血糖値が少々上がったからといってすぐに何らかの自覚症状が出るというのはまれです。糖尿病の進行は非常にゆっくりとしているので、健康診断などで「高血糖」を指摘されても放置する人が多いようです。自覚症状が現れ始めたときには、もう糖尿病がかなり進行しているのです。

自覚症状で最も多いのがのどの渇きです。のどが渇いて夜中にでも目が覚めるほどです。

排尿の回数が増え、1回の尿量も増えます。

糖尿病がさらに進むと様々な合併症が次から次へと襲ってきます。糖尿病の怖さは合併症にあるのです。

成人になってから失明する原因の第2位は糖尿病です。糖尿病と目に何の因果関係があるのかと、不思議に思われるかも知れません。

糖尿病になると常時血液の中に異常に濃い糖分が含まれます。すると細かい血管がまずダメージを受けることになります。糖尿病は血管の病気とも言われる所以です。目の奥にある網膜の血管が詰まって酸素不足になると網膜症になります。失明にまで至ってしまうともう二度と光は見られません。

また糖尿病発症後10年以上経つと腎臓に障害が起こりやすくなります。

現在日本で腎不全のため新たに人工透析を受け始める人の30%は糖尿病患者です。

人工透析とは人工腎臓を使って血液をろ過するものですが、透析の日は半日から丸1日つぶれてしまい、おまけに体も非常にだるくなったりします。

この透析を週に2~3回受けるようになると通常の社会生活を送るのに大きな困難が生じます。

糖尿病患者が一番多く悩まされるのが神経障害です。

足の先がしびれたり、焼けるような痛みを感じたり、あるいは痛みや、熱さなどを感じなくなったりします。神経障害が進行して足に壊疽(えそ)を起こせば足を切断しなくてはいけません。糖尿病で足を切断したというケースは稀なことではありません。

糖尿病と診断されたらすぐに医師の指導のもとで治療を始めましょう。